北陸グルメ漫遊記 市場で越前ガニをゲット編

目指すは黄色いタグの越前ガニ

翌朝、敦賀漁港に隣接する相木魚問屋へと立ち寄る。ここは越前ガニの名づけ親としても知られる問屋だ。戦後間もないころ、日本一の食材が集まる東京築地市場に挑み、秀逸と絶賛された越前のかにを「越前カニ」と名付けた相木氏。今でも、身とミソの具合を一パイずつ見抜き、目にかなったものだけを相木ならではの技で仕上げている。ここなら、手ごろな価格で食べられる越前ガニが見つかるかもしれない。昨晩食べたような高級品では、そうそう手が出ないというものだ。

たとえ雌で小さなセイコガニにも黄色いタグがつく。これぞ越前ガニの証だ。
相木問屋の店内には、所狭しと水揚げされたばかりの魚介類が並ぶ。どれも日本海近海で獲れたものばかりだ。

一般的に越前ガニとして食べられるのは、実は雄のカニ。雌はこれに比べてとてもサイズが小さいため、豪快に食べるのにはむいていない。しかし、それならではの美味しい食べ方がある。別名セイコガニと呼ばれるのだが、この時期は卵を抱えており、これを食べるのがまた別格の味わいなのだ。口のなかで弾ける一粒一粒からは、濃厚な磯の香りがほんのりと漂い、雄の味わい方とは別の美味しさがある。もちろん、細くて小さいがその身も格別な旨味だ。一パイ約800円~とリーズナブルだがしっかりとカニの味が凝縮されており、これならお土産に買うこともできてうれしいといえる。



本場の問屋で越前ガニを満喫したあとは、一般向けに設けられたお土産屋へと向かうことにする。「日本海さかな街」は敦賀港直送の魚介が並ぶ鮮魚店をはじめ水産加工の店、昆布、珍味、銘菓の専門店など50 数店と17店 の飲食店が軒を連ねる巨大海鮮市場だ。

乗用車400台、バス40台が駐車可能な無料駐車場がある広大な敷地。営業時間は、午前10時~午後6時。飲食店を除けば、8時半頃から開店するところもある。

施設内部には、活きのいい越前ガニが生け簀で泳ぎ、刺身で食べられる鮮度で提供している。もちろんカニだけではなく、敦賀市名物のコンブや加工品なども盛りだくさんだ。

カニビルをつけた越前ガニ。これぞ日本海の宝石の証だ。

さて、ここ「日本海さかな街」を訪れたのであれば、ぜひ体験してもらいたいことがある。それは3枚綴りのクーポン券を使った「はしごめし」(1500円)。施設内の17ある飲食店では、店ごとに「はしごめし」用のメニューが用意されている。1枚でひとつのメニューが注文できるので、3品食べることができるのだ。

海鮮市場ならではの、新鮮な魚介をふんだんに使った丼魔ニューの数々。とても食べきれる数ではなかった。

ひとりで3品食べるもよし、仲間とシェアするのもよし、使い方はそれぞれだ。ここまで散々カニを食べてきたが、やっぱり〆だけにもう一度アタックしてみることにする。今回食べたのはカニ味噌、海鮮丼、串焼きの3つ。計算すると1品500円となり、この値段でこれだけ食べられるだけでもかなりお得な感じがする。

1500円で寿司屋のフルコースなみのラインアッップ。市場だけに、どれも新鮮なネタが使われており、魚介ファンならずとも外せない。

クーポン券とメニューを交換したら、イートインコーナーでさっそく味見。店内で食べられるところもあるが、テイクアウトメニューはイートインコーナーか車内で味わうことになる。

前日からグルメ尽くしの旅であったがさすが北陸、飽きさせることなく舌鼓をうてるメニューが並んだ。なかでも越前ガニとの出逢いは、これまでのカニ人生においても最大級の衝撃だった。後ろ髪を引かれる思いではあったが、またいつの日か訪れることを誓い、敦賀の地を後にしたのだった。

 

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