フライドチキン解体新書

大人も子どもも誰もが夢中になったケンタッキーの味を再現できるか

誰もが愛してやまない唐揚げのなかでも、絶大な支持を得ているのはケンタッキーフライドチキンだ。メタボがどうの、健康がどうのなど悩んでいる暇も惜しみ、これがレシピではないかというブレンドにてさっそく試してみることにした。骨まで柔らかくなるという圧力鍋で揚げることは難しかったため、今回はフライヤーにてチャレンジ!

熱くなった鶏油を混ぜた揚げ油が、パチパチという音を出しはじめたらそろそろ入れ頃だ。衣をたっぷりとつけて、各部位を投入する。この時点で一番近い味になると予想されるのは「もも肉」だ。ほどよい脂乗りと骨がないことから、圧力なべを使用しない今回の手法ならもっともそれらしくなりそうだ。

 

■揚げ油 (サラダ油、鶏油) ■鶏肉 (もも肉、ささみ、骨つき肉 )■つけダレ( 塩、水、黒コショウ、 ガーリックパウダー ジンジャーパウダー、ナツメグ )■つなぎダレ (コーンスターチ、溶かしバター、卵、牛乳) ■肉をまぶす粉 (薄力粉、強力粉、塩、白コショウ ガーリックパウダー、ジンジャーパウダー セージ、ローズマリー、タイム、ナツメグ、 バジル、オレガノ、サボリー、メース)

<作り方>

①3種類の鶏肉をつけダレにしっかりと浸すこと。最低でも2時間は漬け込みたい。この時間が短いと、肉に味が染み込まない。

 

②つなぎのタレにしっかりとくぐらせる。まんべんなく鶏肉につけるのが ポイント。

 

③まぶし粉をたっぷりとかけてまぶす。余計な粉は、軽くはたいて落とすと 良い。これをしないと衣が厚くなってしまう。

 

④160〜170℃に熱した油で揚げる。熱すぎると、表面が焦げて中まで火が通らないので注意が必要だ。



 

 

⑤キツネ色になって中まで火が通ったらタッパでしっかり油を切る。カラっとした仕上がりにするためにも、最後まで手は抜けない。

スパイスが織り成すハーモニーこそウマミの極意 となりえるのか。完成品の味はいかに!?

 

<ささみ>

高たんぱく低カロリーでもっともヘルシーな部位

ダイエットをするときの肉としても有名な鶏のささみ。ただ焼くだけだと、ぱさついていて、決して美味しい部位とはいえないのだが、今回はツケダレにしっかりと漬け込むことで、そのたんぱくな味わいを脱却だ。

 

<骨つき手羽中>

骨まわりのウマミが凝縮された通好みの味

昔からチューリップの愛称で親しまれる唐揚用ともいえる部位。肉こそ少ないがゼラチン質も多く、鶏の味を楽しめる肉だろう。肉は少なめだが、本数を食べれば十分満足できる。もはやゼラチン質の虜になる日も近い!?

 

<もも肉>

脂も多くもっともコクのある鶏肉の王様

鶏肉の中でも、肉質・脂肪分ともに、もっとも美味しいと言われている部位がここだ。一口サイズで揚げるより、大きな1枚肉を半分程度にカットしたほうがガッツリ喰らうことができる。フライドチキンでも王道だろう。

 

残念ながらケンタッキーの本当のレシピこそ不明のままだが、味付けだけは近づいた今回の実験。一番のポイントは、ツケダレへの漬け込む時間にあるようだ。この時間が短ければ、肉の芯まで味がつかず、鶏肉の淡白さだけの唐揚げもどきとなっただろう。また、圧力鍋を使用せずフライヤーで揚げたことで、かえって肉本来の食感が残り、とくにささみのフライドチキンは良い意味で期待を裏切ってくれた。揚げ脂に、鶏油を使用したのは、鶏本来の匂いをフライから香らせたかったから。ただ、これを使うと油が一回で傷んでしまうため、あまり経済的ではなかった。

今回使用したスパイスたち

●セージ
イタリア料理の定番。腸詰など肉料理によく使う。

●ローズマリー
肉の臭みを消すのに必要なスパイス。

●タイム
すがすがしい香りと防腐作用がある。

●ナツメグ
こしょう、シナモン、クローブと並ぶ4大スパイスのひとつ。

●バジル
香りつけに最適なハーブ。もっともメジャーなスパイス。

●オレガノ
シソ科のスパイス。トマト料理には欠かせない。

●サボリー
タイムの仲間で、もう少し刺激が強い。豆料理によく使われる。

●メース
肉料理には欠かせないスパイスのひとつ。

 

取材協力
蕎麦居酒屋・濱膳
神奈川県横須賀市久里浜4-15-11 望月1F
046-835-9229
昼の部/11:00~14:00
夜の部/17:00~24:00

※本記事は、過去に食慢(日本文芸社)にて掲載し、それを再編集したものです。